光都プラザ、円環の通路
設計:磯崎新アトリエ・設計組織ADH(光都プラザ/エスプラナード)
光都プラザのエスプラナードから芝生広場へ向かう途中、少し不思議な形をした通路があります。
芝生広場側へ下りるエレベーターへと続く、短い連絡通路です。
大きな円を繰り返すように並んだ白いフレーム。その間を半透明の屋根が覆い、足元には木のデッキがまっすぐ奥へ伸びています。
目的だけを考えれば、もっと簡単な通路でもよかったはずです。けれど、ここでは「向こう側へ移動する」というごく日常的な行為のために、ひとつの小さな建築空間がつくられています。
入口に立つと、いくつもの円が奥へと重なり、その中心へ吸い込まれるように視線が伸びていきます。
歩き始めると、円形のフレームの向こうに外の緑が断続的に現れます。屋外にいるはずなのに、どこか建物の内部を進んでいるようでもあり、短い距離の中で風景の見え方が少しずつ変わります。
この通路が接続する光都プラザとエスプラナードは、磯崎新アトリエ・設計組織ADHが設計に関わった空間です。
ただし、この円形の通路そのものについて、どのような意図でこの形が選ばれたのか、あるいはこの部分を誰が個別に設計したのかについては、光都ポータルでは現在のところ確認できていません。
完成したひとつの造形として計画されたものなのか、光都プラザやエスプラナードを含む、より大きな空間構成の一部なのか。そこにはまだ分からない部分があります。
それでも、実際にここを歩いてみると、この場所を単なる「エレベーターまでの通路」とだけ呼ぶには少し惜しいと感じます。
光都を歩いていると、こうした**「ただの通路では終わらせない場所」**に時折出会います。
有名な建築だけではなく、普段なら何気なく通り過ぎてしまう階段や通路、広場にも目を向けてみる。そうすると、播磨科学公園都市がつくられた時代の考え方や、このまち独特の景観が少しずつ見えてきます。
光都プラザから芝生広場へ向かうときには、ぜひ一度、円の中心に立ってその先を眺めてみてください。



