円弧を描く、光都の集合住宅
光都を歩いていると、ときどき「なぜ、こんな形をしているのだろう」と足を止めたくなる建物に出会います。
光都2丁目にあるオプトハイツも、そのひとつです。
美しい弧を描く大きな壁。その向こうには、赤茶色の住棟が階段状に並んでいます。
実はこの建物、磯崎新アトリエ+渡辺真理/設計組織ADHによって設計された集合住宅です。建築専門誌『新建築』にも掲載された、光都を代表する現代建築のひとつです。
見る方向によって姿が変わる建築
オプトハイツの面白さは、正面だけを見ていてもわかりません。
円筒形の管理棟を中心に、その後ろへ円弧を描く壁が伸び、さらに4つの住棟が扇を広げるように配置されています。
住棟は一列に揃えるのではなく、少しずつ位置をずらして配置されています。それによって各住戸への採光や通風を確保するとともに、建物全体に独特のリズムが生まれています。
正面から見ると大きな曲線が印象に残り、横へ回ると住棟の重なりが見え、後ろから見ると建物が階段状に後退していく姿が現れます。
見る場所によって、まったく違った建築に見える。
それもオプトハイツの大きな魅力です。
奇抜な形ではなく、「住むため」の形
これほど特徴的な外観ですが、形だけを見せるためにつくられた建物ではありません。
各住戸の光や風、眺望を考えて建物をずらし、上へ行くほど後退させる。1階には天井高を生かしたロフト付きの住戸も設けられ、さまざまな暮らし方に対応する構成となっています。
オプトハイツは1993(平成5)年7月に完成しました。
鉄筋コンクリート造4階建て、全40戸。1Kから3LDKまでの住戸があり、現在も播磨科学公園都市で働く人や学生などが暮らす賃貸住宅として使われています。
つまりこれは、保存された建築作品ではありません。
30年以上たった今も、人が暮らし続けている建築です。
世界的な建築家たちが関わった「光都」というまち
オプトハイツだけが、光都の中で突然現れた特別な建物というわけではありません。
播磨科学公園都市では、都市をつくる段階からアーバンデザイン計画が導入され、建築、道路、緑、ランドスケープを個別に考えるのではなく、都市全体として景観をつくることが試みられました。
兵庫県は、このまちの景観や建築について、世界的に著名な建築家やランドスケープアーキテクトによって設計・構築され、「都市自体が一つの芸術」といっても過言ではないと紹介しています。
磯崎新をはじめ、安藤忠雄、ピーター・ウォーカーなど、現代建築やランドスケープを代表する人々の仕事が、光都のあちらこちらに残っています。
オプトハイツは、その大きな都市づくりの中で生まれた建築のひとつです。
いつもの景色を、少し違う目で
光都に住んでいる人にとっては、オプトハイツは昔からそこにある、ごく普通の風景かもしれません。
けれど、少し立ち止まって眺めてみると、正面の大きな円弧、少しずつずれた住棟、階段状になったシルエットなど、さまざまな工夫が見えてきます。
次にオプトハイツの前を通るときには、ぜひ正面だけでなく、少し場所を変えて眺めてみてください。
いつも見ている光都の風景の中に、意外な建築が隠れています。
オプトハイツ 基本情報
名称 オプトハイツ
所在地 兵庫県赤穂郡上郡町光都2丁目20番3号
竣工 1993(平成5)年7月
設計 磯崎新アトリエ+渡辺真理/設計組織ADH
構造 鉄筋コンクリート造4階建
戸数 40戸
間取り 1K~3LDK
用途 賃貸集合住宅
