安藤忠雄が光都につくった、光とコンクリートの学校
光都にある建築の中でも、知らずに通り過ぎるには惜しい建物があります。
播磨高原東小学校です。
設計したのは、世界的建築家の安藤忠雄。
1995年3月に完成した校舎で、播磨科学公園都市に最初に設けられた公立学校です。
コンクリートなのに、光に満ちた校舎
安藤忠雄の建築といえば、打放しコンクリートを思い浮かべる人も多いでしょう。
播磨高原東小学校にも、その特徴がはっきり現れています。
しかし、この校舎を面白くしているのはコンクリートそのものではありません。
光です。
外観にはV字型の柱がリズミカルに並び、校舎内部には吹き抜けが設けられています。高い位置に設けられた窓から入った太陽の光が天井などに反射し、コンクリートの内部へやわらかく広がります。
重く硬い素材であるコンクリートと、時間によって刻々と変化する自然光。
その組み合わせによって、学校の中に独特の空間が生まれています。
小学校だけで完結しない建築
この学校を見るときに、ぜひ知っておきたいことがあります。
播磨高原東小学校は、単独の建物としてだけ設計されたものではありません。
東側には、同じ安藤忠雄が設計した播磨高原東中学校があります。
兵庫県によると、小学校と中学校は東西に伸びる一つの軸線上に配置され、その間に広場があります。さらに、それぞれの直線的な校舎に楕円形の体育館が組み合わされています。
つまり、二つの学校を合わせて見ることで、初めて建築全体の構成が見えてきます。
学校という境界を越えて子どもたちが交流し、周囲の自然とともに学ぶ場所をつくろうという考えも、この配置には込められていました。
校舎も、光都の風景の一部
毎日ここへ通う子どもたちにとっては、ごく当たり前の学校です。
けれど、少し離れて建物を見ると、V字型に連続する柱、直線的に伸びる校舎、楕円形の体育館、そして背景の山々。
普通の学校とはかなり違う風景が現れます。
安藤忠雄の建築が、美術館や教会ではなく、子どもたちが毎日学び、遊び、成長する場所として光都にある。
それも、このまちの面白さのひとつです。
次に学校の近くを通るときには、校舎だけでなく、中学校との位置関係や周囲の自然まで一緒に眺めてみてください。
光都が「建物を置いたまち」ではなく、「まち全体をデザインしようとした場所」であることが、少し見えてきます。
播磨高原東小学校 基本情報
名称 播磨高原広域事務組合立 播磨高原東小学校
所在地 兵庫県たつの市新宮町光都2丁目6-1
竣工 1995(平成7)年3月
設計 安藤忠雄/安藤忠雄建築研究所
用途 公立小学校




